さてさて今日は八月二十八日。
日本の皆さんこんにちは、憂鬱な月曜日がやってきましたね。
お前もそうだろうだって?
いいえ違います。
私がいるのはイギリス。なんと今日は祝日なのです。
サマーバンクホリデーとよばれる八月の最終月曜日に訪れる休日なのだそう。
金曜日にそれを知った私はそれまで知らなかったので
「なんとこれは」と棚ぼた状態。
急にポッと生まれた時間。
私が建築学徒であるならば、やることは二つに一つ。
いざ行かん建築探訪。今回のターゲットは「大英博物館」です。
さて正面口につくとこれは圧巻。
縦向きに伸びることの多いイギリスの建築では珍しくずっしりと横に広いファサードです。
ギリシャ神殿の様式を取り入れたイオニア石柱が連なる正面と両翼は堅牢でどっしりとした安定感があります。
この建築。実は過去に二回ほど大きな改修がされています。
一回目はかつてモンタギューハウスと呼ばれた以前の大英博物館から現在よく見るギリシャ様式の形態へ。これは改修というよりもほぼ新しく作り直した感じがします。
二回目はごく最近。2000年代に入ったころです。
イギリスの巨匠、ノーマンフォスター卿によって中庭に大規模な改修が入りました。
「まぶしっ」
正面口を抜け、中庭へ出てみるとそのまぶしさに目がくらみます。
いえ比喩ではなく。
壁、床、ともに白を基調にし、図書室が収まる同じく白い筒状の建造物が目立ちます。
そしてなにより圧巻なのはその大天井。
中庭がまるまる内部空間になるように交差した放射状の枠組みで構成されたガラスの大屋根が昼間の太陽をいっぱいに内部へ取り込んでいました。
当初私はこの現代に行われた改修。三百年前に作られた様式建築と現代建築が隣接しているのは、どうしてもどちらかが浮いてしまうのではないのかと思っていたのですが、いざ実物を見てみると石材の質感がよく似ているのです。
もちろん、完全に形態が違うので一つの建築として融合しているかと言われれば違うのですが、不思議と違和感を覚えませんでした。
むしろその形態の差異が領域にコントラストをつけており、エントランスであり休憩スペースである現代的な空間と、博物館の主役である展示の空間とを分けているようにも感じました。
展示はというとお恥ずかしながら建築以外にこれっぽっちも興味がないのであまり覚えていないのですが、電気のない時代に光を取り入れる需要があったのか、電灯で直接明かりをつける事が展示物に影響するのか展示室はその多くに天窓がついていたように感じます。
また、過去を現代に伝えるための施設なので。全部が全部外観のような様式建築ではなく。一般的な現代の博物館のようになっている部屋も多くありました。
その中には日本の展示スペースもあり、日本刀や甲冑、工芸品など。日本人が見たことあるような展示もありました。
そしてなにより。
広い!
もうはちゃめちゃに広くて、展示物を素通りしながら建築を練り歩くだけでも三時間強は滞在していました。
建物の中しか動いていないのにもうへとへとです。
さすがは世界中の遺物や遺産を保管し展示しているだけのことはあります。
世界の歴史を後世へ伝えるための建築。
その広大さは人類の歴史の一部であり、これからも増えていくのだろうと感慨深くするとともに、自分もそういった歴史に残せるような建築を設計したいという思いました。
次はどんな建築が、私に歴史を感じさせるのか
建築探訪はまだ始まったばかり、
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