目が覚めると目覚ましよりも早い時間でした。
緊張か、さすがに寝すぎたのか、とてもよく覚めています。
初日という事で学校までホストマザーの娘さんが送ってくれました。
使ったのはネットやテレビでよく見るイギリスの赤い二段バスです。
「実在したのか!?」
当たり前だ。
さて、イギリスの赤いバス。
ルートマスターといいロンドン市内ではものすごくよく見かけます。
一律1.5£(280円ぐらい※執筆当時)でどこまでのっても値段は変わりません。
また、VISAなんかのカードをピッとするだけで乗れるので日本で使っていたデビットカードですぐに乗れました。
初めての学校、いったいどんな生徒たちなのか。
少し緊張しつつも、外で並ぶ人たちを見かけます。
「ん...?」
いやいやまさか、そんなね。
その後現地の先生に新入生が移動します。
うんうん。
十数名の新入生(なぜか男子は自分だけでした)
見るとなんだか髪が黒い。
鼻も低いし、漫画「テルマエ・ロマエ」でのいわゆる「平たい顔族」がちらほら、というか全員でした。
もしやと思いながら待っていると。
え、
「めちゃ多くね。」
やはり全員日本人でした。
この時期、夏休みを利用した海外留学が多いのか日本人の受講者がものすごく多かったのです。
簡単な面接の後、クラスが分かれるのですが。
ここでもびっくり、やはりそのほとんどが日本人でした。
日本人七人に対し、ブラジル人二人、中国人一人、サウジアラビア人一人と、圧倒的な日本人率から担任も「Wow, is it japanese class!?」と驚嘆していました。
初日の授業を終えると、最寄りのTESCO(イギリスの大手スーパー)でサンドイッチやジュースを買い、近くの公園でその日知り合った人たちとランチです。
案外高校生は少なく、ほとんどが20歳や21歳と言った大学生でした。四十代の方や仕事をしながら通っている人など大人も多くいます。
クラスでも自分は最年少で、初日の緊張も相まってか「You're shy boy(恥ずかしがりだな)」とクラスメイトに笑われてしまいました。
さて、昼食を終えると日本人一行でロンドン中心街へ向かうことにしました。
いよいよこの留学の目的「建築」へ近づきます。
駅を出るともうそこかしこに自分の性癖な建築がごった返して感極まりそうでした。
しかし紅一点ならぬ蒼一点とでも言いましょうか。
日本人一行のガールズトークの輪は男子禁制か、ついた先で自分はあまり交流できずにいました。
さすがは乙女たち、超高級ブランドやショーウィンドウに夢中です。
いや、全然いいのですが。
自分という建築学徒の性なのか、建築以外のことにまるで興味がなかったのです。
___みなまで言わんでください。こういう時乙女らの興味に真摯に対応するのがモテる男なんだと。
しかし残念ながら私はモテ男ではなく、建築学徒。
はるばる一万キロ空を渡ってウィンドウショッピングしたのでは名が廃る。
一言添えて彼女たちとは別行動をとり。
一人で建築探訪へ出かけました。
もう感動の嵐。
いままで写真でしか見れなかった西洋建築の本流が今目の前にあるのだ。と写真を撮る手が止まりません。
____しかし、私はこの時忘れていたのです。ここが「外国」であるという事に。
しばらく観光し、トラファルガー広場へさしかかったときでした。
花売りの格好をした一人の女性が近づいてきます。
旅行に慣れている人ならもう気づいていると思いますが、そうです。
詐欺師です。
しかし私は配るように押し付けられた一本の花を受け取ってしまったのです。
こちらが外国人と気づいており、最初に名前を聞きます。
英語でまくしたてつつ。誘導されるように財布を開くと。
奴は私の財布からおよそ六割の現金をつかみ取りました。
「ちょちょちょ」と抑えるも。やつは足早に去っていきました。
去り際の舌打ちを私は忘れません。
「騙されたぁぁぁぁあああ!」
気づいたときにはもう遅い。
とんでもない悔しさをと共にここが「外国」であるという洗礼を受けました。
そう、もうここは日本ではない。
無条件に安全が供給されるほど甘い国ではないのです。
来国二日目にして現金を奪い取られる国。
それがイギリス。
皆様もどうかお気を付けください。
こういう時、悪いのは当事者本人だけであって、イギリス国民のほとんどは善良である事は理解しています。
それは重々理解したうえで聞いていただけるといいのですが。
留学生としてはこの一件であの瞬間。イギリス自体が嫌いに思ってしまいます。
論理的や常識的に考えてあまりに安直すぎる判断であることは間違いないです。
ですがやられた当人としてはこの瞬間。筋違いとわかっていてもイギリスという対象を嫌いになりました。
この経験を通して思うのは、日本で同じようなことがあったとき。
その外国人がその場で「日本を嫌い」と言っても仕方ないと感じたことです。
そんなことが起きて日本を嫌いになられようものなら犯人に対して同じ日本人として顔から火が出るぐらい恥ずかしいことです。
たった一人の馬鹿がいるせいで、外国人が持つその国のイメージはガラリと変わります。せめて自分が日本にいるときは、外国人に同じ思いを絶対にさせたくない。この気持ちを忘れずに振舞おうと心に決めました。
私はこの一件であの瞬間「イギリス」という国を嫌いに思ってしまいましたが、決して永久的に未来永劫の嫌悪を決めたと言っているわけではありません。憎むべきは当事者の悪意だけであることは重々承知しています。ただ異邦人としてそう思うように割り切るまで時間がかかるのです。
日本が「いい国」と呼ばれるためにも、こういった行為はしない。させない。見過ごさないを肝に銘じていきたいものです。
長々語りましたが、結論。
「外国人には優しくしましょう」
高い授業料となってしまいましたが、自分にとっては苦くともいい経験として消化できるように頑張ります。
英国建築探訪記はまだ、始まったばかり___
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